-掛軸・額装・屏風/表装-
◇ 掛 軸 ◇
掛軸は、和紙・裂地・木材・軸先(陶器や金物)で構成されています。
シンプルな構造に見えますが、実はイメージするよりも多くの手間が掛かります。
巻き解きを繰り返す掛軸は、薄くて丈夫であることが重要で、
その機能を吹き込む為に、100を超える工程と50種類以上の道具を使い分けます。
良い掛軸を仕立て上げるまでには、とても長い時間が必要なのです。
松月堂では、より品質を高めるために創業100年を誇る独自の技術で工夫を凝らしています。
また、細部の装飾すべてに妥協のない仕事を施しています。
◇ 額 装 ◇
通常、額の下地は材料も安価で加工し易いこともあり、べニア材や集成材を用いています。
しかしながら、べニア下地は重く、下地が大きく変形する可能性があります。
また、べニア材はアクなどの悪影響で作品を傷める危険性もございます。
松月堂では作品保存を重視するため、高品質の組子下地を採用しています。
組子下地は、古来からある伝統的な工法で仕立てており、とてもに軽く安全で下地が変形することもありません。
もちろん、作品への悪影響もなく長期に亘り安定した効果をもたらす下地です。
また、お部屋に常に掲げることを目的とした額は、作品保護を考慮してアクリルガラスを入れています。
◇ 屏 風 ◇
折りたたむことができる屏風は、蝶番(ちょうつがい)の精度と屏風下地の中身(品質)が命です。
蝶番は、二種類の手漉き楮和紙を松月堂独自で加工しており、丈夫で50年以上良好な状態を保ちます。
屏風下地は、額装と同様に作品保存を重視するため、高品質の組子下地を採用しています。
下地は杉の組子に、骨縛り・胴張り・蓑掛け・蓑縛り・中受け・上受け・化粧張りの七層で構成されており、
その一番上に本紙(作品)を張り込んでいます。
この二点が欠落した屏風は、似て非なるものでしかありません。
また、より良い屏風は、あらゆる部分の 隅・角がとても美しいのです。
◇ 御朱印帳 表装 ◇
本来、ご朱印帳(納経帳)の紙の厚みや素材では、表装(掛軸)にするのは不向きです。
なぜなら、ご朱印帳の紙の種類・質・サイズは、販売元によってかなり個体差があるからです。
表装するには、数百種類あるご朱印帳の紙の特徴を把握し、表装材料・工程を変えていく必要があります。
その方法は、例えば、裏打ち和紙の種類(厚みや素材)を変えることであったり、糊の配合や加える水の加減の調整であったりします。
ご朱印帳表装の工程には、一定の答えはないため、その都度最良な表装方法を調整していく経験と知識と創造力が表具師に求められます。
岐阜県谷汲山 第三十三番 華厳寺をご参拝の際は...
華厳寺さまは、西国三十三ヶ所霊場・満願の地です。ご参拝を終えましたら是非、松月堂へお立ち寄りください。
表装に関する疑問から巡礼(観音霊場や四国遍路)の思い出話まで色々お話ししましょう!
もちろん、工房案内・掛軸見本や表装材料のご紹介もいたします。
※お越しの際には、事前にご予約いただけると幸いです
華厳寺さまから東方面へ約1時間 → Google マップ ルート案内